今を捉える写真
「俺は将来、日本中のイオンタウンに行ってみたい」長男が、唐突な夢を言い始めて。
そこで、神奈川のイオンタウンに行くことにした。目指すのは座間のイオンタウン。神奈川で一番広い、というのが長男の触れ込み。
確かにかなり広かった。不思議なもので、広いイオンタウンは。だんだんとららぽーとに似てくる。
それでも、見慣れない店があれば入って商品を眺めて。次男がご希望のサブウェイでは、みんなで次男をはげまして、あの難しい注文に挑戦することもできた。
帰りがけ、海老名のサービスエリア。ちょっとの外出なので、子供たちは携帯電話を車に置いて出た。
ちょうど夕暮れ時、沈みかけのオレンジが綺麗な頃合いに「携帯電話を貸して欲しい」と長男が言ってきた。
今、景色がものすごい綺麗なので、写真を撮りたいと言うのだ。「俺はこれを待ち受け画面にする」とも。
携帯電話を渡して、長男が写真を撮る。撮った写真は、家族連絡用のメッセージに流して共有する。
次の日の朝、びしっと携帯を見せつける長男。そこには、昨日撮影した写真が、確かに待ち受けになっていた。
その写真は、夕暮れはもちろん、駐車用のアスファルトも不思議と緑色がかっていて、とても綺麗だ。
その色まで含めて写真を撮りたかったんだろう。写真を通じて、子供の感性も合わせて共有できた気がする。
人から見れば、ちょっと綺麗な位の写真だろう。僕にとっては、そうではない。
人生で増やしたいのは、こういうことだ。
