石を投げる。

今年もそろそろ終わりになって、ふと自分を確認する。
薄暗い洞窟の岩にこしかける。
目の前に穴がある。
そこに石を投げる。

石を投げて音を聞く。
しばしの沈黙。ポチャーンという音。
穴の底には水が溜まってるみたいだ。

落ちるまでの時間。
その間の雰囲気。
落ちた時の音。響き。

そんなもので様子を想像する。
想像してるのは僕の心だ。

いくら自分の持ち物だったとしても、自分で自分の心はなかなか見えない。
どこかで折りを見て、用心深く問い掛ける。
どれだけ大人になっても、利口になっても。
心に問い掛ける言葉はないような気がする。

石を投げて、音で図る。
そんな風にして今の自分の心を確認するしかないような気がする。

今年も一年、仕事もおかげさんであって、人の事を好きになったりして。
あるいは誰かを傷つけたりして。
浮ついた感情の奥にある自分の心をちょっと確認するべきかなって思った。

心が変わると、夢もかわる。
あの時の夢が今も夢かな?
あの時の心が今もそのままかな?
注意深いアンテナで、自分に触れる気持ちがないと、自分で自分を見間違う気がする。

確信めいたものは今も昔もほとんどない。
ただ年をとればとるほど、自分の中でも社会的にも引けない部分は増えてくる。
結果で物事を進めていく年になってきたので、自他のどちらに対しても責任は増える。

今の自分はどんな自分なんだろう。
どんな形の心なんだろう。
注意深く手探りで。年の瀬に少し確認する。

自分にも他人にも大切なものが欲しいと思う。
今だってあるけど、もっと。

タグ【戯れ言】

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勝又孝幸

株式会社データファーム

FileMakerシステム制作を中心とする「株式会社データファーム」という小さな会社の代表です。2007年から趣味で書いている日記を個人ブログとして現在も続けています。

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