今回のepic、気になるところ

フォートナイトを開発しているepicがApp Storeが設定する30%の販売マージンについて問題提起をしている。30%が適切かどうかは見る立場によって異なるだろうが、個人的には適切かと思う。販売から入金、顧客のID管理などの仕組みを用意するのは、私自身の技術・資金的では難しいので「儲かったら、支払う」モデルだと助かる。その場合に先行して仕組みを用意してる側のコストやリスクも考慮すると30%くらいは適切かな、と思う。この費用の中には今後の機能追加の開発費用や、システム維持費用なども含まれているので「高すぎる」という感じは正直しない。

この話は、App Storeに限らず、ウェブサービスを利用する時にもよく出てくる。高い安いはは結局のところ個人個人の経済規模によってくる。「自分にとって高い」「自分にとって安い」の2つしかない。「一般的に安い、高い」というのは実は存在しないと思う。

epicが今回ユーザーに共闘を呼びかけたことは、企業にやって欲しくない最も大きなことの一つ。感情的にはすごく嫌。現実的にもすべきではないと思う。結局はepicにとって悪手になるだろうからだ。今回「ユーザの利益を守るために」という錦の御旗でユーザの参加を促しているが、仮にこれが成功してもしなくても。今後アクティブユーザが減り、利益化を進める施策を打つときに「あのとき、epicのために動いたのに、ユーザを裏切るのか」という負の温床を作ってしまうからだ。結果がどうなっても「ユーザに働きかけて、動いてもらった事実」は確実に残る。未来にかなり大きな借金を作っていると思う。

あとはAppleファンとして、1984を風刺したAppleのCMをパロディするのであれば、やるべきは「epicが安価なゲーム端末とOSを作り、それをプラットフォームとして他の企業でも使えるようにする」ことだと思う。AppleはIBMを批判こそすれ、たかりをするためにあのCMを作ったわけではない。実際AppleはMacを作った。そのあたりのミスリードも今回ちょっとひどいかな、と個人的には思うし、デマゴーグ的な側面も感じる。Appleを好きな自分が言うと、贔屓目は否定できないのだけど。


更新 2020月08日16 12時50分

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勝又孝幸

株式会社データファーム

FileMakerシステム制作を中心とする「株式会社データファーム」という小さな会社の代表です。2007年から趣味で書いている日記を個人ブログとして現在も続けています。

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