もれなく、とはいかない。
ある日、プールを見てみると。プールの水位が明らかに下がっている。
「もしかして、プールに穴が開いたのかも」
急いで見にいくと。水を循環させるホースとプールの接合部が緩んでいて、そこから水が漏れ出していた。
上にある循環穴の位置まで、水位がちょうど下がっている。これがまさにホースの場所。水漏れの原因と結果が、見事に一致した。
緩みを直した後、ホースで水を加える。一晩で、水はしっかり戻っていた。
けれど、また数日して、今度はもっと水位が下がっている。前回のような緩みはなし。いよいよプールに穴が開いたのかもしれない。
そのまま数日様子を見ると。前回とは異なり、今度は下にある給水穴の位置で、水の減少が止まっている。でも、パイプに緩みはない。
周辺を見ていくと、思いがけない箇所に水の跡があった。よく見ると、パイプの一部に亀裂が入っていて、そこから小便小僧のように水が漏れていたのだ。
新たに生まれた今回の原因。謎が新たな謎を呼ぶかのよう。
白いビニールテープで補強して、漏れを潰した。水位もバッチリ。プールの方に、穴はなかったのだ。
大人になっていく子供達は、そこまで一生懸命、プールに入らなくなってきている。
せっかく出したのに、ちょっと寂しい。
それでも。まだまだ今年も、プールを使い続けていける。