時々、ひとつにならないで

まいど。

天気は良くて晴れやか。
だんだんと寒さもこの地を後にしている感じ。




今日の朝、スピッツの草野君のニュースを読んだ。

■スピッツ、草野マサムネ急病のためツアー開幕延期
http://natalie.mu/music/news/46876

一部引用すると、

草野は3月17日に病院にて急性ストレス障害と診断。東日本大震災に伴う大きな地震や連日報道される被害の甚大さ、福島第一原子力発電所の深刻な状況などを受けての過度のストレスが精神的な障害に発展してしまったという。
とのこと。

こういうことって、繊細な彼だけの話ではないなって思う。
みんなが誰もが、少しづつ不安や痛みを分け合ってるし、電線のように気持ちは繋がり共鳴する。
体調が少し悪かったり、気持ちがいつもよりも少し不安になったり
真面目に、真正面からすべてを受け止めればこそ、不安定さを共有してしまう。

草野君の場合は、特に感受性が強いだろうから、体にすごく影響したんだろうなって思う。
明日の日本がどうなっているか、原発のことだけでも不安だ。
あるいは被災に対して無力であることは、仕方のない事でも自分を傷つける。

そういったいろんな「かけら」から、自分が手を放せなくなる。
自分の心の器の中で、それらがどんどん共鳴、ハウリングしてしまう。
そんな状態で、いつも以上のことに対応する。

………多かれ少なかれ、そんな状況を誰もが体験してると思う。

「被災してないのに、そんなのは弱すぎる」って言う人もいるかもしれない。
でも人の優しさというものは、むき出しの状態では常に弱いものなのだ。
普段なら大丈夫でも、こういった緊急事態には、心の壁を乗り越えてショックなことは届いてしまう。

それはもう、仕方のないことだ。
そこから僕らは、はじめるしかない。
それが「今」だ。



優しい人は時々手を放したらいいと思う。
臆病に震災から目を背けてもいいと思うし、都合よく身をかわせるのなら、そうしたっていいと思う。
常にショックな事に寄り添って、それで自分の身を痛めて、細くしてしまうのなら。
時には図々しく、ご都合主義に逃げる事だって大事だ。

あるいは、いっそのこと情報を遮断して、自分の世界をつくってしまっても良いと思う。
それは逃げではない。きちんと自分を明日につなげようとする態度だ。

少しでも無事な場所の人が、これから長い時間をかけて、エールや物資や力や言葉を送らなければならない。
それぞれのペースで。それは個人の自由を超えて、みんなが少しずつ自発的に持つべき義務かもしれない。

だからこそ、優しさで自分を傷つけても仕方ない。
共感が共鳴しすぎて、自分の器を弱めてしまっても仕方がない。

僕らはひとつだからこそ、常にひとつにならなくていい。
時々、ひとつにならないで。
そんな気持ちもどこかに忍ばせながら、生きていくことも必要なのかもしれない。

草野君が歌詞にした言葉を、ちょっと違った意味をもって今感じている。

やたらマジメな夜なぜだか泣きそうになる
幸せは途切れながらも続くのです


途切らせても、続けていこう。
そんな風に思う今日の夜。






タグ【しなやかで丸い玉】



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更新 2011月03日28 20時55分

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勝又孝幸

株式会社データファーム

FileMakerシステム制作を中心とする「株式会社データファーム」という小さな会社の代表です。2007年から趣味で書いている日記を個人ブログとして現在も続けています。

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