ダルビッシュが話す自分の言葉、野田総理が話す他人の言葉。

まいど。
寒いね。こっち雪は降らなかった。

今日は二つの演説を聞いた。
一つはダルビッシュ、もう一つは野田総理。
それぞれ感想を。

ダルビッシュが話す自分の言葉

ファンを集めての会見だったけど、凄く良かったと思う。
ちょっとした言葉のあやで、誤解を受けそうな内容。そのあたりを上手に、真摯に話しているなって思った。

日本の環境で野球をやりたい。
でもやりたい野球はアメリカにある。
環境をとるか、野球をとるか。
野球人として、仕事人として野球を優先した結果がメジャーだった。

なるほど、と思って聞きました。

こういうことを上手に伝えられるようになったのは、ブログの効果も大きいんだと思う。
自分の言葉を文字にしたり、人前にさらす事。
客観的な表現を積み上げることで、自分の主観をうまく表現できるようになってきます。

彼が伝えたものが「自分の考え」だったからこそ。
言葉や表現力が備わったのだろうな、と思いました。
ほんと今のプロ野球選手らしいことだな、と感じました。

会場のすべてのファンがダルビッシュの意図を解っただろうに、取材の記者があべこべな質問をしていましたね。恥ずかしいことだと思います。

言葉を理解したり紡ぎ出すことにおいて、一般の人よりもスポーツ選手よりも、劣る。
プロが劣っている。
それは猛省すべきだと俺は思う。

そして「表現すること」や「言葉でまとめること」について。
一般の人はものすごくレベルが上がっている事に気付かされました。

「言葉を生業にする」ことは本当に日々勉強が必要な、厳しいジャンルになった。
そういうことだと思います。

野田総理が話す他人の言葉

そして本日の野田総理の表明。

私個人としては「やっちゃいけないことを、平気でしたな」と思いました。
他人の文章を一部だけ切りとり「前首相はこういいました」と断定すること。
文脈や前提は無視され、発言した人が意図した内容は破壊されてしまいます。

ものすごく上手に切り取りとれば。
すべてをきちんと伝えられるかもしれません。
でもそれはすごく難しいことです。

特に日本の将来や政局を首相が表明する本日の場面。
他人の言葉を意図的に拝借する必要があるのでしょうか。

「文脈を壊して、誤解を生むリスク」についてあまりに軽い。
「その言葉を発した相手の意思を尊重する」ことも十分にできていない。
そう思います。

実際その当たりを麻生さんはつっこんでますね。

■「いいとこ取り」と不快感=演説引用に麻生氏反発

 自民党の麻生太郎元首相は24日、野田佳彦首相が施政方針演説で首相時代の麻生氏の演説を引用し、消費増税をめぐる与野党協議を求めたことについて「いいとこ取りだけされた。何となく抱きつかれたような感じだ」と不快感を示した。国会内で記者団に語った。
 麻生氏は消費増税に関し「私の演説では『景気回復が前提』という条件が付いていた。首相は景気が回復したと思っているんだろうが、世の中にそう思っている人はいない」と指摘、協議を拒否する正当性を強調した。

私は麻生さんが大好きなので、野田さんよりも麻生さんを尊重する傾向があるでしょう。

そういった傾向を考慮した上でも。
やはり人の言葉の引用と言うのは、本日のこの場面でやるべきことではなかったと思います。

「他人がああいった」ではなく。
「自分がこうしたい」で。
所信表明は埋め尽くしてされるべきではなかったか、と。


自分の思いを伝えるために、丁寧に言葉を扱ったダルビッシュ投手。
自分を有利に伝えるために、人に言葉を大ざっぱに扱った野田総理。

私としてはそんな感想をうける、両極端な二つの演説でした。


更新 2012月01日24 23時23分

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勝又孝幸

株式会社データファーム

FileMakerシステム制作を中心とする「株式会社データファーム」という小さな会社の代表です。2007年から趣味で書いている日記を個人ブログとして現在も続けています。

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