10年の頑張りに絶望するかもなって思った話。

コロナで自分の仕事を見直したのだけど、その時にもう少し根本まで考えることにした。自分の仕事とは何か。大袈裟に考えても仕方ない。ただこの不利な状況で営業的なことを頑張っても、結局は値下げやら利幅の薄い仕事を大量に抱え込むことになる。それをなんとかクリアしても来年間違いなくガス欠する。借入もしたので一旦落ち着いて考えることにした。こういう気持ちの源泉は「あきらめ」で、太刀打ちできない「コロナ」が与えてくれたものといえる。

自社はFileMakerというソフトを使ってシステムを作ることで利益をあげているのだが、これについては大きな心境の変化があった。あと5年、10年。自分独自のものを作って頑張って評価されたとして。それは幸福なことだが、その時の自分は55歳で、内容や時代背景からも大幅な増員は考えにくい。お客さんの会社のシステムが良くなればなるほど、年老いていく僕一人に依存している。これはリスクでしかないな、と、ふと思ったら肝が冷えた。技術的優位性が、技術的な負債にある時一瞬でひっくりかえる。うん、この未来は駄目だとおもった。

ということで。うなぎのつけだれのように作り続けていた(多分足掛け10年くらい)自社システムを一旦捨てた。その上で、工程管理をasana。ファイル資産管理をboxに変更して、外部サービスをベースに組み替えることにした。その繋ぎ、もっと大枠の部分をFileMakerで包括的に構築しようという試み。Claris Connectというサービスが出てきて、その実験もかねつつの移行だが、やってみていろいろ見えなかったことがたくさん見えてきた。あわせて自社システムのベースになるインターフェイスも再構築している。全体的に大変だけどおもった以上に楽しいし、新しい思考や設計でつくれるので、システム構築自体のスピードが上がりそうな予感がある。外部サービスと組み合わせることで、自社が設計構築しなくてもシステムアップグレードの恩恵も受けられる。将来このシステムをお客様に提供する時も、お客様のリスクを下げられるが良いのではないかと思う。サービス停止や倒産リスクは当然あるのだが、自社だけに依存するよりもはるかにリスクを下げることができる。僕が今後販売するにも心理的なストレスはだいぶ軽く、そこも大きい。

あわせて最近受注させていただいたのが「タブレットレジ、ホームページ、予約システム、クラウド会計」の統括したサービスインのご提案。新規法人、新規事業に対するもので、経営者の無駄な時間を0にすること、人でなくシステムに依存すること、常に最新の会計を参照できること、をお客様のメリットとして提案した。タブレットレジ導入支援から「他社のサービス導入をサポート」というのはやっており、その比率や組み合わせがだんだん大きくなってきたのだろう。元々自己表現として個人事業で始まったのだが、その野望は挫け、別の形を育てつつなんとか生き延びようとしている。


更新 2020月07日30 17時39分

関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

勝又孝幸

株式会社データファーム

FileMakerシステム制作を中心とする「株式会社データファーム」という小さな会社の代表です。2007年から趣味で書いている日記を個人ブログとして現在も続けています。

最新記事

カテゴリー

アーカイブ