電気は好きだけど
脱炭素社会ということで、エネルギーを電気に置き換えていこうって流れがある。 個人的にもPHEVに乗っているし、調理はガスではなくて全て電気。電気エネルギーはすごく気に入ってる。 その上で気になるというか、思うところがある。
例えばば熱を取り出すにしても、電気から熱を直接とることはできない。 発熱する機械を通すことで、熱を得ることができる。 電気は万能で、熱を奪い去って冷却することもできるし(実際は奪い去るというか交換するのだと思う)パソコンやiPhoneを動かすこともできる。 すごく万能なエネルギーで便利。これが電気。クリーンに取り出す手段にも未来がある。
逆にいうと「何かしらのツールを媒介しないと、効果を得ることができない」エネルギーでもある。 電気だけ持ってても、なんの役にも立たない。
これは書いてて思ったけどすごくお金に似てる。
ガソリンや木材はこういう万能性もなく、二酸化炭素に直接むすびつきのあるエネルギーではあるのだけど。 燃やせば強力な熱が発生するので、人間が暖を取ることができる。温度は命に直接結びつく要素だ。 特別な道具がなくても、なんとか利用することができる。こういうエネルギーの魅力だ。
エネルギーを一つの形に集中するというのは、色々と危険な側面もあると思う。 電気は特に「ツールがあって初めて役に立つ=それがなければなんの役にも立たない」エネルギーだ。例えば災害時、熱源として電気を使うのは難しいと思う。 ガソリンから発電できるPHEVはそういう側面で価値があると思う。しかしEV全盛の時代になったときに、ガソリンは手に入りやすいのだろうか。
水素は技術の展開次第によってはすごく魅力的なエネルギーだと思う。タービンを直接回すこともできるし、電気を生み出す元にもなるので、電気以上に汎用性が高いと思う。しかし「水素だけあってもどうにもならない」部分は電気と同じ弱点でもある。
原始的なエネルギーが身の回りからどんどん姿を消して、なんだか人間ってのは遠くにきたなぁって気もする。 肉体の強さと発展を避けて、自分以外の道具を発展させることで、ここまで繁栄してきたのだな、と改めて感じる。
更新 2021月05日06 11時07分