iPhoneとAppleTV 4K+HomePodステレオペアの組み合わせで、空間オーディオを試した

Apple Musicが空間オーディオ、ロスレス、ハイレゾロスレスに対応した。
ハイレゾは意外にいろんな音源で対応がされてるのだけど、空間オーディオはこれから、アーティスト側の努力で対応音源が増えてくるようで、まだまだ数が少ない感じ。

音楽の空間オーディオは映画のそれとは違い「画面から音が出ているような位置関係」ではない。頭の周りにいろんな楽器があってそれが多重にいろんなポジションから音が鳴っている、というイメージ。
そうするとステレオに比べて、より「楽器と楽器の隙間、位置関係(空間)」が感じられるのかな、って感じ。

この隙間の部分を「楽器の響き」を追加していくのか。あるいは新しい音源をさらに追加していくのか。そのあたりが対応を迫られるのかなって思う。ステレオから空間オーディオになると、ステレオでは十分だった一つ一つの音が、場合によっては「ペラペラ」に感じてしまうこともある気がする。その寂しさが目立ってしまうとかえって音楽の迫力がなくなる。

なので「ステレオの方がよく聞こえる」音源もあると思う。あえてモノラルにする、ステレオにするという戦略的なアプローチもありだと思う。ロックの音源が特にそんな感じで、空間オーディオにしていまうと荒々しさや迫力を損ねてしまうケースもある感じ。

逆にジャズとか綺麗な音楽はすごく良い。基本的には今後この方向にいくのは間違いないと思う。音楽が色めきたって、次の次元に行っているのは間違いないのだから。それを実現する、技術というものの凄さも感じる。

iPhoneとAirPodsProの組み合わせは、空間オーディオを損なうことなく体験できる良い環境だと思う。耳の位置(頭の位置)を中心に、いろんな楽器が位置をもって響いている感じ。立っても寝転んでもセンターがずれないのはヘッドホンの良さだと思う。聞き手は何も考えずに空間オーディオを体験することができる。

AppleTV 4K+HomePodステレオペアで再生してみたのだが、こちらはこちらでなんとも不思議な組み合わせだ。ぱっと聞いてHomePodのあの独特の「強い低音」がなくなって「豊かな低音」になる感じ。HomePodはやっと本領を発揮できたのかな、と思う。そして全方位に音を出すHomePodから、AirPodsProで感じたような自分中心のサラウンド、を感じるのは難しい。

とはいえステレオ音源よりも音は立体的で、楽器一つ一つの位置が分かれてるような感じは割とわかる。ステレオ再生の時よりも、全体的の音量は上げ目でちょうどいいかんじ。

不思議なのはあらためてHomePodの空間認識機能だ。立体オーディオで聴こえ方が変わり、それが部屋のどこにいても割と同じように響いてくる、という。なんかもう色々感がると頭おかしくなりそうな論理なのだけど、音の響きとしてはより素直に立体的になって、色んな場所で聞きやすく響いてくる。センターがあってこその立体オーディオという感じなんだろうが、そのセンターはどこにあるのだろうか…という不思議。

ちなみにAppleTVにあるような「ヘッドトラッキングで自分の頭に追随する形の空間オーディオ」は実装されていない。秋に実装される予定らしいがライブ音源とか限られた音源での利用になると思う。これが実現してしまうと「ポケットに入れたiPhoneから常に音が流れてくる」みたいな本末転倒な体験になってしまうので。

この頭の位置への追随が今回の空間オーディオにはないため、音源よっては違いがわかりずらくなっていると思う。とはいえ音は間違いなくレイヤーが増え、楽器はより豊かな響と位置を持ったように聞こえるし、体験は変わっている。

AppleTV 4K+HomePodステレオペアではAppleTVで設定が変更できるので、アリアナグランデの曲をかけながら「ドルビー(空間オーディオ)あり、なし」にしてみたり「低音質(だったかな)、ロスレス」を切り替えて響きをいろいろ確認してみた。結果としてはドルビーのオンオフで一番音響の変化があった。

ついでに普通のロスレスでもない、ドルビー対応もしていない音源で「ドルビーオンオフ」「低音質、ロスレス」を切り替えてみたが、こちらは全く変化がなかった。


更新 2021月06日09 10時27分

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勝又孝幸

株式会社データファーム

FileMakerシステム制作を中心とする「株式会社データファーム」という小さな会社の代表です。2007年から趣味で書いている日記を個人ブログとして現在も続けています。

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