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adieuの「よるのあと」は悲しみ以上に美しい

「あなたが嘘をつかなくても、生きていけますように」

で始まるadieuの「よるのあと」この曲を初めて聴いた時に。最初のフレーズの美しさにびっくりして、一発でこの曲が好きになってしまった。

歌を聴きながら、歌詞が一つ一つゆっくりと、でも確かに頭の中に入ってくる。悲しい曲、でもそれ以上にひとつひとつ、言葉が美しくて、不思議と心が落ち着くのだ。

「よるのあと」とあるけれど。寝る前、自分の夜を終えるために。静かな気持ちになるというより「夜を静かにさせる」ために聴きたくなる。稀有な曲だと思う。

悲しさが伝わる以上に心が落ち着いたり、静まっていくと感じるのは、adieuの声の透明さと、奇跡のような日本語の歌詞の美しさ、儚さ。それらが一体になっているせいだと思う。

曲を書かれた塩入冬湖さんも、この歌詞と曲を相当大事になされていたようだけれど。adieuの声に託したことで、この曲に対する色んな願いが叶ったのではないかな、と思う。

この曲の歌詞を聞いていると、途中でいろいろゆらゆらする。好きと嫌い。愛と未練。愛してるとさよなら。そういう色んな不安定が、トントンと優しい扉のノックを重ねるうちに、静かにゆっくりと溶けてしまうような。曲自体の持つ、そういう優しさが特に好きだ。

優しく、悲しみを握りつぶしてくれる。なんとなくそんな曲だと思う。


更新 2022月09日01 13時05分

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勝又孝幸

株式会社データファーム

FileMakerシステム制作を中心とする「株式会社データファーム」という小さな会社の代表です。2007年から趣味で書いている日記を個人ブログとして現在も続けています。

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