歌さんの落語

まいど。

今日はぐっと暑くなったけど。
でも昨日に比べればだいぶ過ごしやすかったか。
ただ、クーラーに体が地味にやられてるみたい。

気持ちのギアが、ぐっとあがらない。
明日からまた長袖生活だな。
油断大敵だ。

twitterで落語の話題があがって、友達にひとつ音声ファイルを渡した。
タイトルは

桂歌丸「竹の水仙」
この落語はなんとなーく、amazonで買った。2005年らしい。


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歌さん。桂歌丸。
「笑点」の人だよね。これは誰でも知ってる。有名。
でも落語を聞いた事がある人はどれだけいるんだろう。

俺もしっかりは聴いていなかった。
それだけにこの竹の水仙を聞いた時に「うわぁ〜すばらしい」って思った。
聞き入ってしまう。調子がいい。面白い。

いろんな落語家さんがいて、それぞれの落語がある。
歌さんの場合、まず聞きやすい。
そして声が若い。はつらつとした好青年のようだ。

その上で、調子がいい。
ほんとうに調子がいいので、まあ聞きやすい。
この調子の良さは、かなり細かい技法で成り立っていると思う。

落語のまね事をしようとするとさ、男の声は低く、女性の声は高く。
ついやってしまう。
そうすると非常にとっちらかった学芸会になる(笑)

歌さんは、その点で当然うまい。
これは歌とかも同じくの技法だと思うんだけど。

メロディ的な抑揚はそんなに大きくない。
でもテンポが細かく、そこを細かく変える事で人を演じ分けてる感じがする。
そして、ブレスの入れ方。
しゃべる前に一拍。その泊で調子を区切る事で、また人を演じわける。

細部に神が宿るとはいうけれど。
そういった細部を重ね合わせる事で、調子のいい大きな流れが「おはなし」として気持ちよく流れ込んでくる。
物語の盛り上がりが出てくれば、もちろんそこに抑揚が加わる。

そうするとまあジェットコースターのように。
話の渦に気持ちよく巻き込まれてしまう。
なんだろうね。正しい落語としての調子の良さ。
それがはつらつと感じるのが、他の落語家さんとちょっと違うところなのかな?


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歌丸ばなしって本も読んだけど、これの中に談志師匠との仲が出てくるんだよね。
そのあたりもすごく好き。
談志師匠と歌丸さんは、落語のスタイルは違うけど、芯はすごく近いと思う。

見えてる、信じている、とらえている落語。
それに対するアプローチが違うだけかな?と。
見ている景色。見たい景色は同じではないか、と。


談志師匠の言葉を探していたんだけど、俺の聴いてるのと別の言葉がみつかった。
印象深いので、ちょっと長いけど引用します。

「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱味を口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬というんです。

一緒になって同意してくれる仲間がいれば更に自分は安定する。本来なら相手に並び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ、しかし人間はなかなかそれができない。嫉妬しているほうが楽だからな、芸人なんぞそういう輩の固まりみたいなもんだ。だがそんなことで状況は何もかわらない、よく覚えとけ。

現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ。


そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う。」




俺はまだまだ、馬鹿が抜けない。




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勝又孝幸

株式会社データファーム

FileMakerシステム制作を中心とする「株式会社データファーム」という小さな会社の代表です。2007年から趣味で書いている日記を個人ブログとして現在も続けています。

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