001-その一行を守るのが、 web屋の仕事では?
まいど。
かずみちさんのTwitterで知った株式会社日本情報化農業研究所、しゃちょうのにっき、かも日記。を読んだ。
古荘さんとは一度WCANでお会いしており、この記事自体もかなり興味深かったので、読ませていただいて思った事を書いてみようと思う。
でもこれは古壮さんの疑問に対するアンサー、ではないような気がします。
なのでとりあえず、トラックバックはしません。
■私はMTもWPも選ばなかった人間
私が最初にブログツールに触れたのは、MovableTypeのバージョン3だと思います。
当時なんとかインストールして使ってみたのですが、期待とは裏腹に失望したのを覚えています。
多分ですけど、当時ってMovableTypeにはWYSIWYG的なものがなかった。
ボタンを使って、囲んだテキストにタグをいれていく感じだったと思います。
それを使ってみて、なんだか萎えてしまって。
入力しては確認、入力しては確認。
その手間を踏むのに疲れた記憶があります。
当時既にウェブで仕事をしていました。
その時に
この作業をお客さんにはさせられないと思ったのです。
私個人の感覚として「タグってものに、お客さんを触れさせたくない」と。
それ以外については当時も今もMovableTypeは非常に優秀でした。
記事を追加すれば自動で記事一覧やリンク、トップページを生成してくれる。
当時のホームページ製作の苦労をすべて解決する手段がそこにありました。
なので今になって不思議なのですが、よくMovableTypeを自分があきらめたなぁ、と思います。
■a-blogとの出会い。私との共通点。
その後P-blogという非常に優秀なフリーのソフトに出会い、今のブログが始まります。
(ブログ自体は2007年の終わりにa-blogに移行しています)
ですがこちらも「タグを書く」という操作が主流だったため、また私自身にブログをカスタマイズする知識がまったくありませんでした。
(CSSでウェブをつくることすら、できなかったと思います)
なのでこのブログをカスタマイズしてお客様に提案する、ことはできませんでした。
その後にどういうきっかけか忘れましたがa-blogと出会います。
ああ、たしかa-newsの人がブログをつくる、みたいなことをwebで読んだのだったかな。
それでどのバージョンか忘れましたが、a-blogを使ってみたのです。
そのブログは
お客さんがタグを書かずに記事を作成できるという点において私の理想、というより主張にぴったり合致していました。
このブログを使って、お客さんに提案してみたいと思ったのです。
参考:emptyhouse : 仕事でa-blogを使っていこうかと思います(このブログはp_blog)
参考2:emptyhouse : a-blog。よくできてるわぁ。
この時期の前後に、HTMLのデザインをテーブルからCSSに切り替え始めていました。
そこにa-blogとの出合い。モチベーションを燃やすタイミングが一気に揃いました。
その結果、一つのサイトを納品する事になったのですが、それが、
stotchpet|ハンドメイドレザークラフト・ストッチペット(2006年8月に作ったようです。)でした。
a-blogのライセンス取得時期をみても、私のライセンス取得の中で3番目ですし、製作時期をかえりみるとほぼ最初の作例だと思います。
当時はまだ仕事も今よりも余裕があり、この時にa-blogに打ち込めたのが大きかったと思います。
ここで自分なりに手を動かして試行錯誤できたので、a-blogというツールを自分なりに理解する事ができました。
ここからお客様にa-blogをカスタマイズして提供しはじめます。
そして2008年の夏ごろから、a-blogを丸々一本CMSとして使用していただくパッケージを製作し展開しはじめています。
パッケージ最新例:おがわ労務管理事務所|静岡県富士市(社会保険・労働保険)
■わたしの根底にあるもの
a-blogを提供していく上で、私の考えも日々変わっています。
また、a-blogが万能ともまったく思いません。
事実a-blogをカスタマイズしたものを納品させて頂いたお客様の中にも、更新が止まった、失敗した、乗り換えたケースはあります。
その責任が私にあるのか、a-blogにあるのか、あるいはお客様にあるのか。
それを特定する事はできません。どれかに特定するという事は、
それ以外には責任が一切ないと明言することになるからです。さすがにそれはあり得ません。
なので大きくwebの流れを見ても、私たちもお客様も良くなるように努力するしかないのです。
努力する、というのは分かりました。ではもっと具体的に、お客様はどう努力するべきでしょうか?
もっというとお客様に
どのようなプロになってもらうべきか。
もう少し推し進めると
お客様が何をしたいのかをつきつめて考える必要があります。
その結果、お客様が目指す姿。それは
お客様に自分を表現するプロになってもらうと事だと思うのです。
であれば、はたしてお客様がタグを覚えるがあるでしょうか。
→いや、タグを覚える時間と労力を、「より正しい文章をかける能力の開発」に使って欲しい。
情報の更新があるたびに、クリエイターの修正が必要なサイトでいいのでしょうか。
→いや、情報もサイトもお客様の持ち物なのだから、イニシアチブはお客様が持つべきだ。
お客様が頑張って入力した文章は、PCでしかみれなくてもいいのか。
→いや、せっかく鍛えて作った文章だから、PCでしかみれない(携帯サイトをつくれない、多大な変換コストが必要)では駄目だ。
あくまでお客様には
「ピュア、ライター」であってほしい(文章の作成だけに注力して欲しい)という気持ちが私にはどうやらあるようです。
その意味においては、a-blogはものすごくマッチしています。
小手先部分でなく、芯のところで目指す考え方が一緒なのです。
データベースの考え方として
ビュー(表示部分)コントローラ(データを扱う装置)モデル(データ)という区分がありますが、ビューとコントローラの部分を私たちのような製作会社がひきうける部分だと思います。
そのかわりお客様にはモデル部分を担当していただく。用は
記事書いてくれと。
そうやっていれてもらった情報を、ウェブという形に落とし込んでく作業は、お客様がやる必要ないと思っています。
なのでタグすら書かせたくないです。
あれをしたい、という指示をインターフェイスで指示することはあっても
あれをこうするっていう命令文(タグ)を書く必要は無いシステムが自分の中では理想です。
タイトルに
その一行を守るのが、web屋の仕事では?と書きました。
私自身もa-blogを導入させていただくうちに気がついたのですが、たとえ「おはようございます」しかないブログであっても、お客様が時間と労力をかけて入力した文章であり、それはつまり
資産だと思うのです。
その資産をできるかぎり二次的、三次的に活用できる事。Javaのスローガンについて昔
write once run anywhere(一度書いたらどこでも動く)だったと読みました。
once write run anyware
お客様にCMSを使っていただくのも同じだと思うんです。
write once view anywhere(一度書いたら文章はどのデバイスでも正しく表現される)
お客様に資産を入力してもらうこと。
その資産を再利用しやすい形で、管理すること。
私の根底にあるお客様への提案、使命。
それはそのあたりをいつもうろうろしています。
………とここまでが、私のCMSに対する「基本」なんです。
その上でツールの使い勝手があるわけで。なのでこれができない状況でお客様とお話しするってのが、私の場合あり得ないので、MTとかWPの世界に入れないのです。はい。
そしてここまで書いてきて多分古壮さんの質問には答えられてない気がするのですが…。
ただ何にしてもお客様は「記事を書く事に集中」できればいいと思っています。
なので、ブログ的なインターフェイスを軸に私はCMSを考えています。
とはいえショッピングサイトとかだと、タグとかちょっとした命令文であれこれできたほうがいいと思いますし。
ショッピングサイトはa-blogで作らない方向でこのところのうちは考えています。
んーーーー。まあ、そんな感じってことで!
自分なりの整理は出来たのですが、解答になってないので、書き逃げです。にげろー!
自分の日記できになったのが以下。がんばろう。
emptyhouse : happyにやるには、hardにやるしかない。
タグ【闘争でなく逃走】