Apple Vision Proはアップルとしては正攻法すぎる戦略。Meta Questは未来のSwitchになるかも。

夜中に目が覚めてしまって。AppleからVRデバイスが出るだろうということで、WWDCを布団に入りながら見ることにした。寝る前にそういう気持ちがどこかあったから、目が覚めたのかも。

Apple Vision Proという名前で出たデバイスは「こう来たか」という感じ。文章としてまとめることを目的にせず、思ったまま、出し残しがないように書いてみます。

まずはVR捨てなのにびっくり。コントローラーがない時点で「リアクションが拾えないしどうするんだろう」とは思ってたけど。

あくまでAppleIDを持つ人のためのデバイスであり「この革新性を楽しむなら、AppleIDが必要ですよ」というのは、まさにアップルすぎるくらいにアップルだと思った。

AppleIDに登録されているアプリやドキュメントを活用するなら、MRとかXRとかの方向性は正しい。VRだと「それ専用のアプリを購入しないと楽しめない」のが弱点で、そのあたりはさくっと超えてきた。(本体はめっちゃ高いけど)

体験としても「iPhoneやMacで普段使っているものが、Apple Vision Proだとこんなにすごい」とメリットを体感しやすいのも良い。

その代わり「差を体感する」という別のハードルがあり、それをクリアするためには「バカみたいに高機能なデバイスやOS」が必要。その結果かなりの高額になってる。なので「Pro」から入ったのもわかる。

これで成功してもしなくても「Apple Vision」とか「Apple Vision Air」あたりは確実に出てくる。そう考えると「Air」というのは活用幅が広くて、Apple的には良い単語だと思う。

ディズニーがサービスを提供するということだったが、その紹介部分がなんとも「古臭く」感じたのは演出やセリフが理由なのだろうか。

感じ方は個人によると思うけど、既にAppleは独自で十分に映画コンテンツをもっているし、キャラクターもSNOOPYとのコラボも十分。コンテンツにおいてAppleはかなり力をつけた事実も見逃せない。

値段については「むしろこれで良い」し、商品もこの方向性で合ってる。Mac Proが同時に発表されたが、Mac Proはかなり限られたクリエイターにしか用がない。

Apple Vision Proはそうじゃない。購入することさえできれば、どんな人でも楽しめるし、恩恵を預かれる。そういう商品は最近のAppleにはなくなっており、そのカテゴリを新設する行動自体は正しい。

値段的にもMac Proの半額。チップも最新、液晶もレンズも現在のもてる技術の塊。そう考えれば全然安い。Apple Watchが出た当初100万円を超えるラインの販売があったが、あれに比べれば今回の方がAppleらしく、かつ良心的だと思う。

MetaはVRの市場を引き続き独占できる目が残り、助かったのではないかと思う。個人的にもVRのゲームやトレーニングを楽しんでいるので、MetaにとってVRが引き続き、意味のある市場であるのは助かる。

新しいMeta Quest3でMR、MXの分野にもアプローチするが、Apple Vision Proが市場にでて比較されるようになる時までは「Appleと同じことができて、Appleより安い」と謳いながらQuest3を売ればいい。

どのみちMR、XRに行くなら「現実が仮想っぽ」ければ白ける。だからAppleは品質にこだわった。そこじゃない道にQuestは行けば良いし、まだまだそこに市場はあると思う。

むしろApple Vision Proを見ながら考えてしまったのは「任天堂」の動向だ。Switchの次はどうするのだろう。VRにはまだ早いとなれば、もういっかいSwitchのようなゲーム機をだすのだろうか。

そうした場合、任天堂がVR機器をだすころには、さすがにMetaが「VRゲーム機のSwitch」として普及している気がする。ゲーム機の寿命は長い。

かといってApple Vision Proのような「最新のコンピューティング」を任天堂がやるとは思えない。というかやらない(コンシューマーはそういうものではない)

そうなった時、任天堂がやれるべき手段は、今のAppleとSNOOPYのように。マリオや他のキャラクターをApple Vision Proに出していくか。あるいは「VRゲーム機のSwitch」になっているかもしれない、Questでゲームを開発するのか。

これらはあくまで「サブ」の考えだ。任天堂はあくまでプラトフォームを作り、そこにキャラクターとゲームを投入し世界を作り稼いでいく。

VRやMRが13歳以上の商品と考えると、引き続きゲーム機を開発するのが良いのかもしれない。とはいえどこかで世界も変わる。

「13歳以下でも楽しめるVRとか他の何か」を作り上げる必要がある気もする。そう考えると意外に「3DS」の戦略は正しく、今の技術でイノベーションを起こせれば、それが正解なのかもしれない。

Apple Vision Proの外向き液晶はすごく良い。VRをかぶっていると「外が見えているのか、いないのか」「なにをしているか」が全くわからず、外の人間が関心を持つことができない。

それを克服したのは、地味ながらもナイスプレイだ。ディスプレイに映る人の目にも違和感があるだろうか、VRの「何やってるか全くみえない」よりは確実に馴染んでいくと思う。

パノラマ写真の意味が明確に変わってきたり。LiDARを利用した3Dオブジェクトの撮影だったり。今のiPhone、iPad環境では十分にコンテンツの魅力を発揮できていないものも。Apple Vision Proによってその魅力を発揮されると思う。

と、とにかく書き出すだけ書き出してみた。まだもうちょっと思うところもあるけれど、時間が来たのでひとまずここまで。



更新 2023月06日06 11時47分

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勝又孝幸

株式会社データファーム

FileMakerシステム制作を中心とする「株式会社データファーム」という小さな会社の代表です。2007年から趣味で書いている日記を個人ブログとして現在も続けています。

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