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AppleTV+のラックは、映画サイズでやるには「もったいなかった」のでは。

公開前のビジュアルからだいぶ良かったので、期待しながら映画「ラック」を見た。CGがもうちょっと良ければ、という意見もあるみたいだけど、僕にはその部分は気にならず。テンポも良く脚本もしっかりしていたので、安心のアニメーションだった。

だった、のだが。なんだか物語に集中できない。事象を飲み込みきれないまま、新しい事象がやってくる。ストーリーラインも上手で納得のいくものだったけど、咀嚼する時間がほとんどないのかな、と思ったのは一通り見終わってから。

多分だけど。ラックは映画ではなく30分で10エピソードくらいの配信ドラマ形式だったらもっと楽しめたと思う。ストーリーは全く同じで良いので、もうちょっと見る側に共感したり、咀嚼するための時間が欲しかった。100%かわいいあのうさぎは、愛着が湧くまでいろんな仕草や表情をもっと見たかった。不運の国のキャラクターたちについてもそれは同じで、ストーリーもキャラも、わりと忙しく自分の横を通り過ぎてしまった気持ちだ。

2時間に収めるには、テーマや内容が多すぎた。それをなんとか2時間に納めるために。奇跡的なテンポの良さや、できる限り無駄を省いた上で、自然な流れに仕上げたかったのだと思う。それが、上滑りするような「良いものを見てるのに、なにかもう一つ入ってこない」という不思議な結果につながったのだと思う。

そんなことを考えていると、そもそも近年の「映画」の存在って何だろうって考えてしまった。僕はそもそも映画を見ないので語る資格がないとは思うけど。それでもAppleTV+を、ほぼ専門に見て。配信されるドラマ、コメディ、アニメなどを結構楽しく見ているし、見終えた本数もだいぶ増えた。

今回のラックについても「配信ドラマの方がよかったのでは」と思ったのは、配信ならではの魅力があるからだろう。ファウンデーション、パチンコなどの近年の作品をみても、30分、60分のドラマであっても。映画に予算でも映像でも見劣りすることはないし、映画に比べて使える時間も多い。1週間の間にあれこれ咀嚼しなおしたり、楽しみに待つことができる。

重厚であればあるほど、映画のフォーマットでは難しいことが増えているのではないか。ラックを見たことをきっかけに、そんなことを考えた。


更新 2022月08日23 16時46分

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勝又孝幸

株式会社データファーム

FileMakerシステム制作を中心とする「株式会社データファーム」という小さな会社の代表です。2007年から趣味で書いている日記を個人ブログとして現在も続けています。

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