分からない話を聞くのは、毒の沼地を歩くようなもの。
物事を考えたり、いろんな発見をしたとき。そこに至る過程というものがある。疑問から始まり、いろんな材料を集めて、考えて。そして1つの結果が出る。
これを他人に伝える時、間違えてはいけないのはその「伝え方」だ。自分が結果に至るまでの過程を、そのまま話しても、まず人には伝わらない。けれど「話の順番を逆にする」だけで、一気に話は伝わりやすくなる。
順番を逆にするので、まず結果から話す。その後に「どうしてそうなったのか」という過程を、できるだけ「かいつまんで」話す。かいつまみすぎたと思ったら後から補足すればいいので、大胆で構わない。
聞く人にとって一番大事なのは結果だ。その結果がもし自分にメリットがあれば、その後の過程にも興味が湧く。話を聞きたい、という欲も出る。
過程から話し始めると。他人にとっては「知らない話」や「ぱっとしない話」になるケースも多い。理解しにくい話を理解しようとすると、会話の気力も体力もどんどん減ってしまう。
あるいは「この話はわからないので、聞きたくない」と最初に感じさせてしまったら。結果を聞く頃には「聞かない」と決め込まれてしまう。
分からない話を聞くのは、毒の沼地を歩くようなもの。毒に侵されれば、時間が経つほど不利になる。
毒の沼地に、相手を歩かせないためには。結果を「薬」にして話す。そのために順序を逆にする。これだけでかなり効果がある。
話す内容に優先順位をつけることができれば、話の組み立てはさらに良くなる。しかしこれが難しいのだ。客観的な視点で整理をするには、意識の準備も、訓練も必要で、身に付くまでに時間がかかる。
そういう時間と手間を省いた、誰でもすぐできる効果的な方法。それが「話の順番を逆にする」ことだ。
更新 2023月02日09 16時04分