取り返しのつかない、失敗はある。
ディレクションもする仕事柄。準備については、割と考えている方だと思う。
そういう頭でいると。何かしら失敗があった時。100%ではないにしても
「この方法で回避できるのでは?」とか。
落ち込むより先に、次の手を考えていることも多い。
それは「常に何かしらのことが頭の中にある」ということでもある。
慢性的な頭の疲れだったり、小さなストレスになっているのかもしれない。
なので。大体どんな失敗でも。
「最終的になんとかできる」
とは思っている。
失敗にも拾うところはある。失敗は「100%マイナスの経験」ではないと思う。
失敗しないと、身に染みてわからないこともあるのだ。
先週の金曜日の夜。久しぶりにパンを作ろうと思い、順調に材料を混ぜて、二次発酵まで進めた時のこと。
二次発酵が終わり、中を確認してみると。なんだか全然膨らんでいない。
どうしてだろうと思った、次の瞬間
「あ、ドライイーストを入れ忘れた!」
と気がついた。
ひねりパンを作っているので、具材も巻き込んだ状態。これはもう、どうやっても取り戻すことができない。
こんなこともあるんだ、と。自分でもびっくりしてしまった。
「小さな事ではあるけれど。これは、取り返しのつかない失敗だなぁ。」
久しぶりのことに。驚きを超えて、感心してしまった。
もう、前に進むしかない。このまま焼いてみると、多少は膨らみ、それでも何とか最低限の形にはなった。
翌朝、子供たちには。
「縄文時代のパンが焼けたぞ」
と言って食卓に出した。幸いにして、味付けが悪くなかったので、家族みんなで平らげることができた。
「取り返しのつかない失敗なりに、それはそれで何とかなる。」
そんな知見も得られた失敗だった。
更新 2023月12日19 09時03分