だいぶ昔のデジカメを使い始めた。
年末にちょっとした探し物をしていると。2008年の最初に買った、古いデジカメが出てきた。
バッテリーを充電し、通電するかどうか確認すると。
最初暗かった液晶画面が、次第に明るさを取り戻した。最終的に、問題なく撮影することができた。
しばらく触っているうちに。なんだか気にいってしまい、このデジカメを再び使うことにした。
購入当時の気持ちと、今の気持ち。振り返ってみてだいぶ違う。
購入当時は「スマホでは撮れない良い写真を、このカメラで撮りたい」と思っていた。
カメラの事など全くわからなかった自分が、その意気込みだけで。このカメラを買ったのだ。
それから16年。今は全く気持ちが違う。
「スマホにはない撮り味の写真を、このカメラで撮りたい」のだ。
時代が移り変わり。スマートフォンはすっかり「上等で手間のかからないカメラに」生まれ変わった。
とにかく気が利く。良い写真にするためのいろんな補正をしまくってくれる。
そして、どんな場所で撮っても「とにかく明るい、見やすい写真」なのだ。
SNSも発達し、写真を撮ったらすぐにSNSに載せることもできる。利便性という側面からも、スマートフォンは最高だ。
それに比べて、昔のデジカメは。
昔のフィルムカメラのような「暗さや雑さ」を写真に残すことができる。良い写真はよく撮れるが、悪い写真は悪く撮れる。
液晶画面も今となっては貧弱だ。最終的な写真の出来栄えは、パソコンにつなげて取り込んでみないとわからない。
もちろん。カメラから簡単にSNSに投稿することもできない。
いろんな部分が不便で、それが良いのだ。
SNSに公開できないところなど、この時代においては最高な機能だと思う。
このカメラを使う流れが、実はフィルムカメラで写真を撮ることにすごく似ている。
パソコンにSDカードをつないで。フィルムを現像するように、最終的な出来栄えを、一枚一枚確かめるのだ。
まるで「フィルムが無限にある、昔のカメラ」を手に入れたような感じだ。
なにぶん古いものなので、いつ壊れてしまうかわからないけれど。
それまでは、大事に使うつもりだ。