人はコップの形をしている。
人間は、変わりにくいようで、実は変わりやすい。
長年大事にした考え方や物事も、あっさりと切り替えられる。それは、軽薄とか薄情ということではなく。
柔軟性、と言うことだと思う。
人と接するときに。人の話を聞ける人、人の意見を引き出すのがうまい人。
彼らは「人はコップの形をしている」と考えているのだと思う。
自分という容器があって。その中に、水を注ぐように、考え方を入れている。
もし間違った考え方だったら。対処は簡単。入れ替えれば良いのだ。
自分というコップの中身を、気軽に捨てたり、継ぎ足したりできる柔軟さ。
それこそが、本当の意味での人間性だと思う。
長年育てた、とか。この考え方こそ自分だ、とか。そんなものは、本当はどこにもないのだ。
コミュニケーションとは、考え方のやりとり、入れ替え、棚卸しだ。
コップの例えで言えば。対象は、コップの中の水のこと。コップの良し悪し自体は、話の対象ではない。
それでも。指摘や否定が、コミュニケーションの中にあると。自分の人格や人生を否定されたと思う人もいる。
「あの人の話はもう聞かない」とか「あの人は良くない人だ」とか。そう思うのは、その人の自由だ。
けれど、それを伝える人の多くは。
「あなたは考え方を変えられる人」と信じて。
それを伝えているのだと思う。
更新 2024月04日17 14時13分