お賽銭があり余る
近所の神社の氏子をしていて、今は会計をやっている。役職としては総代と響きはいいが、細かい仕事の担当だ。年齢も下から2番目、できるところは、やれるならやったほうがいい。
最近、会計の最も悩ましいのがお賽銭の入金処理だ。いつからか、細かい小銭は銀行での取り扱いが有料になった。
実際にお参りすることを想像すればわかるけれど、入ってくる小銭は小額。ほとんどが1円とか5円。それらが年間で数百枚になるのだ。
皮肉なことに、小さな神社のお賽銭では。入金する金額よりも、手数料の方が金額が上がってしまうのだ。
数十枚ずつ小分けに銀行ATMで入金する手もなくはないが、後ろに人が並ぶ中、図々しく自分だけが時間を取るのも気まずい。
1年間の会計処理で、いつも最後に残ってしまうのが、このお賽銭作業。これが終わらないと、神社の申告処理が終わらない。やらなきゃいけない、だけどもとてもめんどくさい。目の上のたんこぶ。
最終的に、神社の話し合いでお賽銭を廃止することを提案した。今後自分以外の誰かが会計をやるときに、このめんどくささが残れば。会計が締めにくくなり、そうでなくても、そもそも手間の多い会計作業は、嫌われてしまう。
幸いにも、年長者の方のの同意も得られた。昔からの復習がなくなることに、嫌悪感もあるのではと思ったけれど。
近年、小さな神社でも賽銭泥棒の被害もあるのだ。わずかな金額の盗みのために、例えばドアの鍵や備品が壊されてしまう。そちらの被害の方が甚大なのだ。
「この神社は、賽銭がいらない」と張り出しておくことで。賽銭泥棒を、未然に防ぐことができる。
そうでなくても、お参りに小銭が要らなければ。もっと参拝自体が気軽にできるようになり、神社の人の賑わいがちょっとでも上向くのでは。
誰にとっても、身近で利用しやすい神社になるのでは。そんな、新しい神社の形も期待できる。
いろんなことを少しずつ理由を持って変えていく。そういうものが積み重なるといつしか大胆な変化になる。のかもしれない。
更新 2025月02日18 10時10分