おからパウダー
「おやつに、おからパウダーとかどうですか」
人間ドックの、生活指導の方に言われたこのセリフ。勧められたらやってみるのが、僕の流儀。
最初に作ったのは蒸しパンだ。けれど、このパウダー、あまりに味気ない。そして、パサパサするのだ。
かなり水を多めにしても、どことなく「パサパサが水につかったよう」な感じで、小麦粉に比べると、圧倒的に保水力が足りない。
「むしろ、このパサパサを生かしたほうが良いのでは?」
今度はクッキーに挑戦してみた。蒸しパンよりはいい感じだけれど、やっぱり味気ない。
「このパウダー『だけ』にこだわらなければいいのでは?」そう思いつき、調べて。今度はアーモンドブルームと混ぜて作る、シナモンクッキーのレシピを見つけた。
今度はかなり良くなった。可能性は全然ある。けれど「美味しい」にはまだ届かない
例えば火の通りムラ。厚みを整えることで解消できた。
ラカント特有のスースーする味わい。きび砂糖と混ぜることで解決。
クッキーの裏面の焦つき。網の上で焼けば、焼き皿に直接触れないので回避できた。
完全なサクサク感の演出。180度に予熱後。すぐに材料を入れるのが大事。20分焼いたら、完全に熱が冷めるまで放置。
小さな課題を一つ一つ解決して。サクッとした、妻や子供が食べても「おいしい」と言えるクッキーがひとまずできた。
ぼくにとって改善の過程は、とにかく楽しい。
ある時、ふと「これなら行けるのでは」と思って試す。その繰り返しは、苦ではないのだ。
最初はシナモンだけだった味付けも、粉茶、ココアと3種類に味も増えた。
次は「ジンジャー」がどうかな、と思っている。
おからパウダー自体は味がない。だからどんな味付けでも素直に乗るのも、作りながらの発見だった。